ワンちゃん・ネコちゃんといつも一緒に生活していると、ちょっとした変化にはなかなか気が付かないものです。でも、見逃してしまいがちな些細な行動や様子の変化が、もしかしたら病気のサインかもしれません。そこで今回は、特に高齢のワンちゃんで発生率の高い「心臓病」のサインについてお話ししたいと思います。
こんな症状があったら、心臓病のサイン!?
心臓はポンプのように全身に血液を送り、酸素と栄養を供給するとても重要な臓器です。心臓病では、心臓の筋肉や弁に異常が生じたり、心臓が正しいリズムで動かなくなることで、全身に血液をスムーズに送ることができなくなります。心臓の負担が増し、疲労や呼吸困難、食欲低下などがみられます。また、身体にたまった水分によってむくみがでたり、お腹に水がたまってふくれてきたりします。 全ての犬のうち10~15%が、10歳以上の犬では30%以上が心臓病だといわれています。
【心臓病が疑われるサイン】
- ・運動をしたがらない、疲れやすい
- ・咳・呼吸困難
- ・食欲低下
- ・腹水・むくみ
- ・体重減少
心臓病は咳などの症状が現れてから発見されることが多く、初期にはほとんど症状がみられません。病気が進行すると、食欲低下によるカロリー不足と筋肉がエネルギー源として使用されることで、心悪液質(しんあくえきしつ)という栄養不良状態になって体重が減少します。この心悪液質による体重減少が、生存期間を短くしてしまう大きな要因のひとつです。
心臓病は残念ながら改善することがない病気なので、初期は病気の進行を遅くしてあげること、病気が進んでからは症状を軽くしてあげることが治療の大きな目的になります。
また、心臓病は進行に合わせて食事に含まれるナトリウムを制限していくため、病気の進み具合によって食事を切り替える必要があります。
心臓病は、早期発見がなかなか難しい病気ですが、健康に見えるときから小さな病気の兆候を発見してあげることが大切です。また、獣医師が心臓の雑音に気づいて発見されることが多い病気ですので、7歳を過ぎたら定期的に健康診断を受けましょう。